2011年3月11日、東北地方太平洋沖地震が起こり、多数の犠牲者を含む甚大な被害が生じました。心からお見舞いを申し上げます。
国連は、2005年から2014年までを「持続可能な開発のための教育の10年」としています。最終年の2014年、「持続可能な開発のための教育会議」は日本で開催されます。このような教育を受けた人たちに活躍の環境を提供することが社会の持続可能な発展にもつながっていくと考えました。
21世紀を迎え、日本は今大きな転換点に立たされており、今後も長期的成長を継続していく為には新しい未来のビジョンと方向性を提示し、推進をはかっていく必要があると考えます。日本は20世紀、飛躍的な発展をとげ、世界有数の技術大国・経済大国になりました。
この震災を克服し、復興復旧を成すために、今私たちにできることを希求する時を迎えております。世界的金融危機の影響を受け、経済システムのあり方が問われる時代となり、震災の傷跡が深刻化する中、今後一層少子高齢化が進み、社会システムにおいても様々な課題が山積みしております。しかし、日本には技術的側面(ナノテクノロジー・ロボット工学・再生医療など)と人格的側面など、世界に注目される優位性を維持しており、日本は、東北アジアの有力な拠点となっております。
当法人 医療・環境・再生研究機構(MERRO)では、日本がリーダーシップをより前進させる為、世界の科学研究者を始めとする関係者が集う「国際先端生物学・医学・工学科学院」を当法人内に設立しました。国際会議を愛知県で開催させていただいております。新しい産業の創出を行い、日本の産業の復興に貢献できれば幸いです。
生物物理や生化学などの基礎的研究とナノテクノロジーやバイオテクノロジーなどの工学的研究が医療に応用されることによって、ナノメディシンという新領域が誕生し、トップダウンとボトムアップの双方のメソッドによって、ナノレベルの物質の作成に成功しました。
また、再生医療などの出現は、医学に画期的イノベーションを果たしました。さらに、循環型社会に貢献するエネルギーの創出もナノテクノロジーによって可能となりました。
世界の医科学技術と先端科学技術に関わる基礎・応用研究者ならびに医療者が協働することにより、学術の発展と研究開発、産業化が可能となります。このことを通して、次世代を担うグローバルな若手研究者の育成に貢献します。
先端医科学技術においては、生命と人体を扱うが故に倫理的考察が不可欠であるため、人文科学との協働が必要となります。その後、社会科学との協働が、実用化を促進します。行政との連携により産業化が成され、科学技術の永続的研究が可能となり、さらなる経済・産業の発展が可能となると考えます。
「国際先端生物学・医学・工学科学院」は、基礎から応用に至る実証的研究内容と社会システムとを融合して、次世代の国際社会の質的向上を可能にするシステマティックな学術の発展をめざします。
このようなビジョンを展開するにあたり、国際社会に日本の復興の力を表し、国際社会から高い評価を得る国となっていく一助となれば幸いであります。
一般社団法人 医療・環境・再生研究機構 (MERRO) | ||
理事長 | 松岡 亜継子 | |
Atsuko Matsuoka | ||
国際先端生物学・医学・工学科学院 (IAIBME) | ||
会 長 | 馬場 嘉信 | |
Yoshinobu Baba |